〈13〉決着する王女の目線

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 両腕が肘からぶらんと垂れ落ちそうになったのを、必死で止めた。  縄が切れたのをゼノス達に気付かれてはダメ。  私は縛られたフリをしながら、サザンとゼノス兄弟の対峙を見つめた。  あの二人の視線がこちらから外れる隙を見つけなければ。 「くっくっ…小僧、そんなに矢を放ってばかりでいいのか…?  そろそろ…尽きる頃ではないか…?」  ゼノスがじりじりと近付きながら嫌な笑いをすると、サザンは一瞬腰に付けてある矢入れの筒を触った。  ゼノスの言葉が図星だったのか。  あの筒にはあと何本の矢が入っているんだろう?  私は、これまでサザンが放って突き刺さった矢の場所を目で追った。  ──私があれらを拾い集めて、サザンに渡せたら!  自分の役割を見つけて、急に力がみなぎった。  サザンがまたボウガンを放って、二人の注意が少しの間だけ向こうへ行った。  私は背中の丸太に擦り付けながら腰を落として、後ろ手で足を縛っている縄を切りにかかった。  それに気付いたサザンが、二人の目に私の行動が写らないように、わざと二人の方へ突っ込んでいった。  その行動に私は慌てる、ダメ、サザン、危ない。  気が急いて、プツッと縄が切れたのはよかったけど、同時に手が滑ってナイフをカランと落としてしまった。  その音がすごく響いて…ゼノスとガルバがギロリとこちらを睨んだ。 「ゼノス兄ぃ、王女のやつ、縄を抜けやがった!」 「ガルバよ、取り押さえろ!」 「シーナ、逃げて!!」  三人が同時に叫ぶのを聞きながら、私は落ちたナイフをまた手に取って、ボウガンの矢を拾いにかかった。 …
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