現実と非現実と

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あー、三度目の正直って言葉… 同じところに面接行ってる訳じゃないからそれも違うか… 「また探し直しかよ…」 この際だ…動物園にでも ‘コンコン’ 「おーい、入るぞー」 「なんだよ父さん…」 「パパが良いこと教えてやろう」 「…なんだよ」 どうせ嫌みだろ 「お前もついこの前二十歳になった訳だ、職も決まらず早二年、高卒からアルバイト三昧で…」 「嫌みなら聞きたくねぇよ…」 「まぁ聞け(笑)母さんと話しててな、今回の面接がダメだったらお前を旅に出させる事にしたんだな(笑)」 「は?」 え、不採用旅行? 「旅と言ってもだ、内容は秘密。気晴らしにとりあえずここにいけ」 ‘ピラッ’ 「…どこだよここ…ようれいやま?」 「妖霊山(ようれいざん)だ。ここからバスと地下鉄で…」 「なんだよ…清められてこいってこと?」 「違う違う(笑)旅(笑)行けば根性でどうにかなるから、もしかしたらたくましく帰ってくるかもだし」 「こんな雨降ってるのに?(汗)」 「もしかしたら婚約者をつれて帰ってくるかもだし」 どんな山だよ… なにかにとりつれて帰ってこいってか 「職業も決まるかもだし」 なんだよ職業決まるって… 勝手に決められても困るんだよ… 俺は月給… 「とりあえずだ、もう親離れしてくれ」 「いや、急すぎるだろ(笑)」 「女の一人や二人、三人やら五人」 色々おかしいんだよ…オッサン 「男なら何も気にせず行ってこい、パパはいつでも味方だぞ(笑)」 「………行くけど…すぐ帰ってくるからな(汗)こんな雨の中…遭難するわ(汗)」 「はっはっは(笑)雨風関係無し、ゆけ、我が息子よ!夢に向かって…」 「もうウルサイし、いいって(汗)ただの気分転換だし」 「はっはっは(笑)まぁ、帰ってこれればいいが」 「ん?なに?」 「いや、傘はさせよってさ(笑)」 …? 最後なんていった… まぁ… いいか 「夕飯までには戻るようにするよ」 「おう、連絡はしなくていいからな(笑)どうせできないし」 「そりゃ山なら圏外だろうね、いいよ帰りのバスで」 「善は急げだ、ゆけ!冒険の始まりだ!」 大げさなんだよ…
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