3.山中-始まりの時-

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3.山中-始まりの時-

 真夜中の自販機エピソードから更に数週間後のこと。彼は、現在通っている学校の図書館にいた。  図書館とは、人類がこの世に誕生してより以来、連綿と積み重ねてきた数えきれない程の知識、知恵、失敗談から歴史など様々な英知を言語という形にしたためて後世に伝えんとする、崇高な理念を感じられる場である。その場で彼は分厚い辞書を手にしながら、しかめっ面をしていた。一体何をしているというのだろうか? 「ふむ」  唐突であるが、例えば乳首、というキーワードがあるとする。それを辞書で探してみよう。パラパラとページをめくっていくうちに目的のページへと辿り着き、出てきた説明の中に乳頭というキーワードがあったので、今度はそれで探してみるのだ。そうしたら新たな説明の中に乳腺というキーワードが出てきたので今度はそれで調べてみたら、乳汁……。といったように、エロいキーワードをひたすら深追いするという、実に高度で知的な一人遊びをしていたのだ。  彼が言うには、金が全くかからずに知識も得られる素敵な遊び、とのことだ。確かに、様々な単語の具体的な意味を知ることができるのだから間違いなく知識を得ることができるであろう。好奇心とはまさに人類を先へと進めるための原動力と言えよう。彼の行動を『図書館と辞書を冒涜するな馬鹿野郎!』と、激しく咎める者もいることだろう。だが、彼は当然のように反論することができる。何故か? 『黙れッ! 辞書に載っている言葉を延々と調べてみて何が悪いのかっ!?』となるのだ。そうだ。その通りだ。書店で普通に売られているエロ本を買うのと同じく、辞書に載っていた語句を調べているだけなのだ。誰かに後ろ指を差されるようないわれはまったくないのだ! 「ふ。また一つ、利口になった」  満足げに頷く彼はクールである。おお、気づけばもう夕暮れ時だ。下校時刻を過ぎており、帰らねばならない。帰り支度をしつつ、彼はふと、日々このような遊戯に興じるきっかけになった出来事について、思いを馳せていた。  そうだ。あれは確か、今から五年か六年くらい前のことだった。  ――その場所は彼が住む自宅の近く。具体的には、東京都と埼玉県の境にあるなだらかな丘陵地帯で、とにかくもト○ロだの猫○スが出そうなくらい、緑が豊かなところだった。山頂は遊歩道になっており、散歩道として整備されていた。かつてはその山の上から、いくつもの国が見渡せたというそうな。  その頃、彼は一歳年下の従兄弟の男子といつも一緒に遊んでいた。大人がよく言う『子供はお外で遊びなさい!』とは、今となってはなかなか難しい昭和の時代の常識で、時代の流れとは時として悲しいものだが、ともかく。少年達はよく連れだって山の中へと入り込んでいったものだ。  そんな山の片隅に、斜面が緩い崖のようになっており、赤土が露出している場所があった。そしてその上の方には少々窪んでいるところがあり、そこに何かが置かれていたのだ。 (これは……)  それは雨によって濡れてふやけ、更に土にまみれてはいるものの、見間違う事の無きエロ書物であった。きっと、誰かがここに廃棄したのだろう。 「何か落ちてるね」 「うん。そうだね」  彼は従兄弟がいる手前、極めて平静を装うことにした。実のところ、興奮を隠すのに苦労している。ああ、中身を見てみたい! 今すぐにここで! 彼は強くそう思った。そしてその思いはすぐに叶えられることになるのだ。  そう、次の日だ! 従兄弟とそれを発見してからすぐ次の日! いてもたってもいられなかった! 待ちきれなかったのだ彼は! (今なら誰もいない!)  昨日とは違い、彼は一人でやってきた。ビニール袋を持ち、例のものを回収するために。幸いなことに例の聖遺物は未だ失なわれてはいなかった。彼はほっとしつつ、いそいそと回収していった。持ち帰る先は自宅の裏手。誰の目にもつかない場所だ。そこならば聖異物の解読を試みることも不自然ではないであろう。 「いざ!」  汚い、などとはまるで思わなかった。何せ彼は、日々野を駆け木に登り草をかき分け泥にまみれている野生少年なのだ。衛生面の心配なんぞより、好奇心の方が遥かに強かった。  さて、始めようか。あたかも貴重な美術品を修復するかのように、紙が破れないようにと一枚一枚慎重に剥がしていく作業を続ける。濡れている方がまだましだ。これがカピカピに乾燥していたら、剥がすことも困難になるのだから。中に見えていくのは……どうやら人妻ものの写真のようだった。  衝撃だった。当たり前のことだが、彼がこれまで歩んできた短い人生の中で、母親を除いて異性の裸を見たのは初めてと言っても過言ではないのだ。  思わずごくり、と唾を飲み込んだ。裸だ。女の裸だ。男のそれとはまるで違う構造だ。肌は白く、当然のことながら胸がふっくらと丸く膨らんでいる。ああ、これが女の人のおっぱいなのか。股間に熱き血潮が集中し、ぼっこんと膨らみができているのがわかる。 「む?」  男女がベッドで絡み合う写真とともに、何やら文字が見える。どうやら特定のシチュエーションを表しているようだ。 『○○さん。……私、今度結婚することにしたの。だから、もう会うことはできないわ』 『つれないこと言うなよ。こうして俺と会ってること、その男にばらすぞ?』 『そ、そんな……』 『だから今はもう少し、抱かせろよ』  とかそんな、とてもわかりやすくもただれきった内容だった。なるほど。これが不貞な関係と言うやつなのか。少年は理解し、大人の階段を少し上がっていった。  こういうヌード系のグラビアなどに登場するモデルは、どの人も聞いたことの名前ばかりだった。もともと彼は芸能人についてそれほど詳しくはないのだが、それでも、衣服を脱いで本来見せてはいけない部分を思いっきり晒している女性というのは、一般の芸能人とはまた違うような扱いなのだと知った。  彼女達は殆ど例外なく、ビデオに出ているアダルト女優なのだ。……今でこそ、世間一般にはセクシー女優と言い換えられ、歌を歌ったりアイドルユニットを結成したりテレビに出たりというのが当たり前になっているが、当時はそういった活動は稀だった。今で言うところの、地下アイドル的な存在に相当するのではなかろうか。  そんなようにして彼は、雨水によってふやけきったエロ本の中身を可能な限り見終えていた。裏表紙には、全裸のまま縄で縛られている熟女が直立していた。素人なのか、目のところには黒い線が入っていて、そして『みんなお黙り!』と黒い字で書かれていた。おおう、なんだかよくわからないけれど、すごい迫力だな! と少年は思った。もし目の前で同じことを言われたとしたら『あっはい! 黙ります!』と、思わず答えてしまいそうな程の言葉の力を感じたものだ。言葉の持つ力とはまさにこのことだ。  このようにして彼は体の何ヵ所も蚊に刺されながら、初めてのエロ本探索の時を終えた。だが、次の機会はすぐに訪れることになる。そう。恐らく聡明な読者の方も予想済みだろうが、それが存在していたのは草むらの中である。  ――その頃、彼は学校の友人から、気がかりな情報を入手していた。何でも、この前例の聖遺物を見つけたポイントから少し離れたところに、新たな聖遺物が多数発見されたみたいだぞ、ということだった。それも、かなり状態がよいとのことだ。  もし、その情報が真だとして、未だ誰も手をつけていなかったとしたらどうなる? そうだ。他ならぬ自分が、魅惑の聖遺物を独占することができるのだ! (こ、これは……確かめてみる価値はある。行かねば!)  いてもたってもいられない。彼は、隠密行動を始めた。夕暮れ時。辺りがちょうど暗くなるくらいに懐中電灯を片手に、情報通りのポイントに急行したのだ。そして、草むらの中にそれらはあった……。 (あった! ……こ、これは!?)  衝撃だった。この前の、雨と泥にまみれたものとは比較にならないくらい状態が良い。素晴らしくいい。そんなものが五冊、六冊……たんまりあるっ! 宝の山とはまさにこのことだ! 「素晴らしい!」  だがまて! あえて落ち着け。慌てるな。周辺の監視を怠るな。壁に耳あり障子に目ありだ。今の状況は、誰に目撃されるかわかったものではない。彼はきょろきょろと周りを確認する。……どうやら大丈夫なようだ。彼は即座に目的の物を回収し、手提げ袋へと入れていく。  さぁ、帰るぞ! 撤収だ! 今日も安全運転で確実な帰還をしなけねばならない! 彼は興奮し、鼻息がとても荒くなっていた。  ――結果的に、入手した聖遺物はどれもこれも大変品質が良かった。雨水に濡れたり泥にまみれたりすることもなく、保存状態は抜群で、新品同様の鮮明さだった。本当に、どうしてこのような貴重なものを無造作に捨てられるのだろうか? 少年には捨てた者の意思がわからなかった。 「セーラー服……か」  少年は思わず呟いていた。それが、こんなにも素晴らしいものだったとは知らなかったのだから。この前発見した聖遺物とは異なり、若きJKが制服を着崩してベッドに寝そべり、大好きな彼氏を誘うような眼差しを、他でもない彼に向けてきているのだ。その様は例え演技であろうと、ギャランティーの発生するビジネスであろうと、実はそのモデルがどうしようもなくらい人格が破綻した性悪女であろうと、今この瞬間、少年にとっては紛れもなく天使なのだ! 「そうか。このような世界があったのだな」  少年は、自分が何も知らない子供だったことを痛いほど思い知らされていた。そしてまた、今この瞬間に、少しだけ少年から青年へと変わっていくような、そんな気がした。どんな学校や塾でも教えてくれないような、濃密すぎる時間だった。  はぁはぁと荒い呼吸を整えながら、さらにページをめくっていく。  その中には、ロングへアのJK姿があった。セーラー服を脱ぎ捨て、白い下着姿で物憂げな表情。そんな清純な美少女に添えられるようにして、一文が書かれていたのだった。小さな文字で『お父さん、お母さん、ごめんなさい。私、セーラー服を……』とあった。何だっ!? 一体セーラー服に何をしたのだっ!? 何があったのだっ!? きっと、のっぴきならない状況があったに違いない! とにかくものすごい背徳感だ! セーラー服が大変なのだ! 「そうか。これが隠れた文才というやつか」  たかがエロ雑誌! されどエロ雑誌! 零細出版社の名もなきライターが一生懸命考えて書いたであろう一文が、案外良かったりして純情な少年の心にビシッと響いていたりするのだ! モデルの魅力を、清純な少女を更に引き立てている。決して誰からも評価されないものだろうが、少年は思った。大丈夫だ! 共感する者ならばここに一名いるのだ。 「俺にはわかるぞっ!」  と。声を大にして言ってあげたかった。  少年は更に、他の聖遺物を手にする。表紙を開くとカラーのグラビア写真のコーナーがあった。その写真はどこかの庭のようで、すこし色褪せた芝生から、秋の頃ではないかと推察される。そこには白いベレー帽に、ピンク色のセーター姿の女性モデルが写っていた。雰囲気的にはJD(=Joshi-Daisei)を想像させる、うら若き美人であった。ショートボブカットが可愛らしい彼女はバドミントンのラケットを手に、笑顔で彼と遊んでいるという、純愛なシチュエーションのようだ。その証拠に、また文字が書かれている。少年は思わず素直な感想を口に出していた……。 「ああ。欲しいよ。確かにさ。素敵な彼女さ」  こんな彼女が欲しかったと、そう書いてあったのだった。少年はうんうんと頷いた。決して叶うことはなさそうな望みだったが、今はいい。余計なことを考える必要はないのだ。可愛らしい彼女は今、自分のためだけに微笑んでいてくれるのだ。今この瞬間だけは紛れもなく、彼の彼女なのだ。  そうして彼はまた、ページをめくる。前述した彼女は彼氏といっぱい遊んで楽しんだ後、もう一つのお楽しみをしようとしている。といったところか。ベレー帽を抱き締めるようにしてベッドの上に座っている。視線はそわそわと所在なさげなイメージのようだ。これから、一枚一枚と衣服を脱いでいき、愛しの彼氏にその柔肌を晒していくのだ。 「感無量だな」  ああ、いい。堪らない。そんな、夢のような情景がいくつも現れていった。  ――やがて少年の回想がおわり、現実へと引き戻される。そうだな。そんなこともあったなと、彼は数年前の自分を思い出していた。  今ではすっかり、拾い物のエロ本に頼ることはなくなった。その代わりに、書店や自販機なんかで調達できるようになったのだ。気軽に手に入れられるようになった反面、あの頃の強烈なドキドキ感はやや薄れてしまったような、そんな気がする。 「いいんだ。それでいいんだよ」  大人になるとはきっと、こういうことなんだ。自宅へ帰りながら、思い出を振り返る。  ふと、駅の階段を降りていくときに、あるものに気づく。白いポストのような箱。有害図書類回収ポスト、と書いてある。 「……」  胸くそ悪いなこれ。と、見る度に彼は不快感を覚えるのだった。 (確かにそーいうのは教育上宜しくないものであって、俺のようなガキが見てはいけないのかもしれない。けどな)  綺麗なままで生きていけるかよと、思いきり蹴っ飛ばしてやりたい気持ちになっていた。 (見るもの全てを選んでもらうような世の中は、俺は嫌だね)  きっとその思いは、彼が年老いた頃も変わっていないことだろう。有害かどうかは自ら決める。他人に、それも身勝手な大人に選んでもらうようなのは御免こうむる。まったくもって余計なお世話である。考える力を養う機会を奪わないでもらいたいものだ。 (何が青少年の健全な育成のためだ馬鹿野郎。エロ本の一冊でも読まないでやっていけっかよ!)  言い様の知れない怒りがこみ上げてくる。 (だいたい、表現の自由ってやつを侵害してるだろ?)  例えそれが男を慰めるような、ポルノ系雑誌であろうとも。  しかし、彼はまたふと、思案にふける。もしも仮に自分が将来結婚したとして、子供……娘ができたとする。その娘が大きくなって、こういう雑誌だのビデオだのテレビのお色気番組だのに出ていたとしたら? (……簡単には、理解してあげられないかもしれない)  理不尽な父親、なのだろうかその考えは。もし仮にその一報を聞いたとしたら、おいおいマジかよ勘弁してくれよと、きっとそう答えてしまうことだろう。裸を見せたりえっちなことをするのは、自分がきちんと認めた相手として欲しいなと、そう思うのだった。こんな考えは古いと思われるだろうか? (罪か? これは罪というやつなのか?)  自分が普段見ているエロ本のモデルやビデオに出ている女優にも、親はいることだろう。自分が今思ったように、両親に理解されていない人も、反対されて絶縁状態になってるなんて人もいるだろう。きっと彼女達にも、自分が知るよしもない苦悩や壮絶なドラマなんかがあるに違いない。そんなことをわかっていつつ、自分は彼女達に日々お世話になっているのだ。 (罪がブーメランとして帰ってきたとしても、それは仕方がないことなのかもしれないな)  でも、更に考えてしまうのだ。仮に、こういういかがわしいものがいけないということで完全に禁止されていたとして、全く無い世の中だったとしたら一体どうなってしまうのか? ……ぞっとする。そんなのは嫌だ。自由や多様性は守られるべきだ。例えそれが規制推進派からは低俗とされるエロ表現であったとしてもだ!  ――そんなこんなで思考を働かせながら、彼は自宅へと帰ってきた。  さて今晩は、どの娘で楽しもうか? そうだ。これはきっと、推しのアイドルがいるのと同じような感覚なのだ。ただしそのメインが、歌やダンスがメインではなくアダルティな方面に傾倒しているだけだ。別にいいじゃないか。誰かに迷惑をかけているわけでもないのだから。  ふと、彼は思い出す。おおそういえば、今晩は『ギルガメスないと』の日ではないかと。ギルガメスないととは、深夜遅くにテレビでやっているお色気番組で、AV女優が多数出演しており、おっぱいポロリやおぱんつをたんまり楽しめるという素敵な時間を提供してくれるのだ。普段テレビをあまり見ない彼にとっても、最高にお気に入りの番組なのだった。 「飯嶋愛の尻見せが、これがまたいいんだよな」  番組アイキャッチとして、ミニスカをまくり上げてTバックを披露してくれる有名な芸能人の姿を思い浮かべる。 「優木瞳の裸エプロンもよかったな」  夜食バンザイというコーナーがあって、美人な女優が文字通り、裸にエプロンを着用したまま料理を作ったりするのだ。料理なんざどうでもいい! 見るべきところは一つしかないっしょ! と、少年はいつも思っていた。  彼は主にその番組が見たいが為に、頑張ってテレビを購入したものだ。お正月の特売にて、僅か三千円で購入した14型テレビ(勿論ブラウン管)が活躍するのだ。楽しみがまた一つ増えた。  さて、彼はこれまでエログラビアを見てきたのだが、特に可愛いなと思った娘が一人いるのだった。それは川名由依という名の女優で、スレンダーな体つきに白い肌、更にJKの制服が似合うという、まさに本格清純派美少女だ。  天使だと彼は思った。事実、彼はそれから数十年がたった後も、彼女のファンであり続けたのだ。現役であろうが引退しようが関係はない。 (特に、上下紺色で白スカーフな冬服セーラーと三つ編みおさげがよく似合ってるんだよな彼女は。紺色ブルマに体操着姿なんてもう、最高だぜ)  決めた。今日はその子でしよう。俺と一緒に楽しもうじゃないか! そんな風に思いながら自室のドアを開ける。 「っ!」  彼は一瞬で異変が起きていることに気付いた。普段から、特別にとっ散らかっているというわけではないが、少々雑然とした感のある自室が、妙に整理整頓がなされているのだ。つまり、第三者による掃除の手が入ったのだ。そう。彼の母親の手が! そして見よ! 机の上を! 衝撃を受け、少年は凍りついた。 「う、あ……」  この前、例の書店で買った『放課後倶楽部』に『さくらんぼ通信簿』に、お菓子系雑誌の『クリーミー』に、それにそれに、彼がお気に入りにしている女優である川名さんのヌード写真集『ノスタルジック』がひとまとめにされて、机の上に置かれていたのだ。  彼の母親は、息子の物を勝手に捨ててしまったりするような非常識さはなかったが、それでも掃除中にベッドの下から見つかったものについては、何も見なかったことに、そっとしておいて欲しかったと望むのは果たして我が侭なことだろうか!? なにもわざわざ見せつけるかのように机の上に積んでおかなくてもいいじゃないかよおいっ! それが親としての優しさってもんじゃねえのっ!? と、彼は心の中で泣いた!  もし仮に将来俺が親の立場になることがあったなら、子供のエロ本とかフェティシズムには理解を示してやって、見なかった知らなかったと言えるようになりたいっ! と、非常に強く思ったものだ。 「うおあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」  こうして、彼の言葉にならない絶叫が部屋の中に木霊して、この物語は終焉を迎えてしまうのであった!
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