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プロローグ
これは、インターネットが世に広く普及されていく以前の物語。
――時は1990年代前半。平成の初期であり、世紀末でもあった。東京都郊外に一人の、今まさに大人へとなりかけている純情な少年がいた。
その少年の青春と共にあったのが、エロ本こと、成人誌だった。
少年にとって、成人誌が今よりも遥かに貴重だった時代のこと。
女子のヌード写真とかアダルトビデオなんかが、少年達にとって極めて貴重な宝だった時代のこと。……これはテストに出そうなくらい大事なことなので、二度ばかり強調して述べさせてもらった。
とにかく。今みたいにインターネットでちょびっとぽちっと画像検索でもすれば、女子の裸がほいほいわらわらずらずらっと一覧で出てきて気軽に見られちゃうような、そんなパラダイスな時代では無かったんだよちょっと前までは!
と、当時の事を知る元少年達はきっと叫ぶはずだ。
そうだ。我々は今、インターネットという存在にあまりにも頼りすぎているのだ。これは由々しき事態ゆえに、かつての少年達がどのようにして、成人誌をはじめとした『エロいもの』に関わっていたのかをここに記し、後世へと伝えるものなり。
想像してみよ! インターネットがねえんだよインターネットがっ! スマホもガラケーも、ドコモのi-modeすらまだねえ時代だったんだよあの頃はっ! もし仮に今、そんなふうになっちまったら、そん時ぁどうすりゃいいっ!? どんな風にして、乾いた砂漠のような世の中で性欲猛る男子がエロスに対する欲求を晴らしていけるというのか!? と、我は読者たる汝らに問うのだ!
……とにかくそんな、青春真っ只中な純情少年のエピソード・Eが、今ここに始まるのであった。
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