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坂本と3人で弁当を食べるようになり、哲平の話に笑う千夏。
モテる坂本は食べ終わるとすぐに校庭に出ていろんな子とバレーボールをやる。
「坂本くんって、人気あるよねぇ」
「そうだな、いいヤツだから」
「哲平くんもとってもいい人だよ」
(いい人……哲平くんはとってもいい人……)
舞い上がった哲平。思わず口走った。
「千夏ちゃんのこと、」
(照れるっ! いきなり好きだなんて言えねぇっ!)
「今日! 帰りに図書館のそばの花壇に来てくんない?」
「帰りに?」
「千夏ちゃんのこと、大好きだっていうヤツを紹介する」
「それ、困る」
「いいから来てよ。千夏ちゃんの……よく知ってるヤツだからさ」
そして今、花壇のそば。
「遅いな、千夏」
「俺、またやっちゃったかな……」
隆にはぴんと来た。
「今度は失恋、無いって! だって千夏が言ったんだろ? 『哲平くんは最高にいい人』って」
「わぁ、お前が言うな! 千夏ちゃんのあの言葉が穢れる!」
いつの間にか格上げされていた千夏の言葉。
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