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だがよぅ、気づいちまったのさ。
言葉に表せない恐ろしさを、相手に伝える術がねえってことに。
こいつは絶望だ。絶望の王様だ。
どうして、儂らは『文字』を失ってしまったんだろうな。
どうして、『文字』を失うことを是としたんだろうな。
文字なんか書けねえし、読めねえ。
『本』に代わる物は頭の中にすっと入ってきて、便利だけど。
その代償に何かを失っていったんだろう。
気づきたくなかったよ。
何も知らないまま、墓場へ行くべきだったんだ。
金になるからって、『闇本屋』に手を出したのが、運の尽きだったのかもな。
読めやしない本。
パラパラ捲っても、意味不明な記号の羅列にしか見えねえ。
茶色に変色してたり、不快な匂いや手触りだったり。
何が目的で買っていくのか知らないが、ビジネスとしては当たりだった。
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