第03章 闇本屋ノ見タ夢

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今となっては、あのことだけが悔やまれる。 どうして、あの本を『読んで』しまったのか? いや、正しくは『読めて』しまったのか? 『はじまりの蛇』という本を。 ……誰かが、通報したようだな。 それとも、別件で捕まった常連さんがゲロっちまったのか。 管理局が、儂の店を囲んでいるのが、防犯カメラに映ってやがる。 もし捕まっても、生きて出られたら、ただの『闇本屋』のガサ入れだろうよ。 だがよぉ、生きて戻ることがなかったら、儂は知ってはいけないことを知ってしまったんだろうよ。 ブーブーブー。 「証区管理局(あかしくかんりきょく)です。片岡さん、ご用件は分かりますよね?」 どうやらよぉ、記録はここまでのようだ……。ブツッ。
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