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第04章 我想ウ、故ニ我在リ
俺は職務と趣味を兼ねて、大人気のエンタメ情報サイト『ランカー・キングダム』をチェックしている。
このサイトもスタートした当初は、毎週1回放送のテレビ番組だったそうだ。
まだ人類が文字を読み書きしていた頃の話だ。
やがて、ネットでの配信スタイルに変わり、今ではリアルタイム更新で常にホットリストを確認できる。
勿論、インタラクティブな構成で、一方通行な情報番組とは一線を画す。
自分が興味を持つジャンルを検索し、ディープな所まで探して行けるのだ。
創業時、モバイル系資本のベンチャー企業が運営していたが、現在は政府が管理している。
証区管理局――。
俺の――雨堂蔵之介の――勤務先だ。
通称『管理局』と呼ばれる特別行政機関もまた、他の省庁と同じでAIによって支配されている。
緩やかな言論統制を行い、国民の情報格差をなくす。
国民生活エージェント思想を基本設計とした管理局は、世論を巻き起こす前に、国会で承認された。
そう、AIに廃止されてしまった、あの国会でだ。
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