第04章 我想ウ、故ニ我在リ

5/6
前へ
/65ページ
次へ
現在、AIの第4世代、つまり、AIが次世代『Super A.I』をつくり4世代目に突入したが、最近では、読者までAIになっているという。 つまり、人類相手に本を出しても、満足なフィードバックが得られないらしい。 それならば、AIに読ませ、ブラッシュアップをしていく方向なのだ。 俺は、一介の管理局員に過ぎない。 そんなAIの横暴にも、異論を唱えることはない。 かつて、マンパワー全盛期には、パワハラやモラハラなどの各種ハラスメントがあったという。 人が管理しようが、AIが支配しようが、一定の割合で不満分子が存在するだけだ。 故に、俺は割り切ることにしたんだ。 だが、たまに想う。 特にこんな雨模様の夜には。 この感情は、遺された人間らしさなのだろうか? それとも、AIが(あらかじ)め計算した予定調和の賜物なのだろうか? 我想う、故に我在り。 かつて、人類史上でそんなことを真剣に考えた哲学者だか思想家がいたらしい。 俺も生まれる時代が早ければ、哲学者や小説家になっていたのだろうか?
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加