第04章 我想ウ、故ニ我在リ

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ランキングは、AIが予測した通りの順位だった。 軌道修正の必要はない。 だが、AIがつくる世界も100%ではない。 何らかの偶然で、予想外のことが起きるかもしれない。 そういった差異をチェックして、軌道修正するのが、局員(にんげん)の仕事だ。 AIは現場に出ない。 人間は生み出さない。 アラートが鳴り、慌ててwebのタブを切り替える。 闇本屋といった小物ではない。 ブック・テロの可能性を示す情報メールが送られてきたのだ。 遂に世界的犯罪組織コンパス・ローズが動き出したのではないかと、証区(あかしく)管理局内は色めき立った。
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