第05章 本ノ羅針盤

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第05章 本ノ羅針盤

管理局は特定のオフィスを有してはいない。 必要に応じて、会議などは政府所有の建物を使っている。 普段は、テレワークとして、自宅やカフェ、海外など拠点は自由である。 ただし、アラート時には、即座にクラウド・ミーティングに繋ぐ必要があった。 俺は、仮想空間のミーティングルームに入室した。 証区管理局特殊犯対策課第一係近藤班。 5名のメンバーのうち、俺より先に入室していたのは3名だ。 近藤班長、同期の堀内、新人(管理官見習い)山野だ。 「相変わらず、雨堂(うどう)までは早い入室だな」 「はい。班長、今回の情報の危険値はどの位なんでしょうか?」 「予測によると、87%とかなり高い」 「87%? レッドゾーンじゃないですか!」
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