85人が本棚に入れています
本棚に追加
問題は、俺達管理官が対応する事案イエローゾーン、レッドゾーンだ。
更に上には、幸い遭遇したことがないが、デッドゾーンがある。
これは先時代のトリビアだが、『レッド』と『デッド』は似ているそうだ。
全く、ピンと来ないが、一文字だか二文字違いで間違えることがあったそうだ。
俺達は、文字を失った代わりに、そんなケアレスミスを犯すことはなくなった。
脳内に送られるイメージは、レッドゾーンとデッドゾーンでは相当違うからだ。
今回はレッドゾーン指定。
ペーペーの管理局員では対応できないレベルだ。
幾度も昇格試験を合格した、俺達『管理官』の出番だ。
レッドゾーン事案は年に数えるほどしかないのだ。
普段、俺達はイエローゾーン事案のヘルプや指揮を執っている。
故に、いざレッドゾーン事案が発生した際に、腕が鈍っていないか気にしてしまう。
平静さを装ってはいるが。
それは班長も同じなのだ。
故に、先崎さんは異質だ。まるで気負いがない。
プライベートでの悪評がなければ、もっと出世してるに違いなかった。
最初のコメントを投稿しよう!