第01章 コンナ偽リノ世界デモ

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クラウドベースに繋いだシナプスラインをオフにする。 そのままベッドに横になりたい衝動を抑え、風呂に入る。 風呂では何もしなくても、ナノシャワーで頭の先から爪先まで綺麗に洗浄してくれる。 幼い頃は、歯磨きだけは溺れそうな感覚で怖かった。 勿論、今は克服済みだ。 部屋に戻ると、疲れ気味の僕は、酸素濃度を上げ、明度を下げた。 おっと、寝てる間のディープラーニングをし忘れる処だった。 念の為、もう1ランク、酸素濃度を上げると、オゾンの匂いが強まった。 目当てのゲームタイトルを選んで、シナプスラインにジョイントする。 僕が眠りに落ちると、優しくダウンロードが開始される仕組みだ。 コンナ偽リノ世界デモ…… チュートリアルをダウンロードし、ゲームタイトルが子守唄のように響く中、僕はいつもの日常を終えた。
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