『夜廻り猫』深谷かほる 講談社

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『夜廻り猫』深谷かほる 講談社

Webサイトモアイで連載中のものをまとめたもの。『今宵もどこかで涙の匂い』。夜廻り猫の平蔵と重郎が、みんなの涙をふくお手伝い。 本では主に右側のページはその日のタイトルに則したイラスト、左ページが8コママンガなので、そう書くと中身がすかすかしていると思われがちだが、そのイラストがすごい!特に『真理子と、みー』の猫の表情が素晴らしい。4巻に収録。 5巻には、こんな話がある。『紙で手が切れるか』という実験台にされた男の子。いわゆるいじめ。落ち込んで、死にたいと思い臥せってすごしたが、何日か経って絆創膏はがして驚く。傷が、治ってる!体は生きようとしているのだ。死のうとした、こんなときでも。 いろいろな人生がある。犬や猫だって。 実際通り魔的に子供を襲い自殺した犯人が最近いたが、子供だって泣きたい日はあるのだ。なやみはつきないのだ。のほほんと幸せそうだから恨んだとしたなら、お前ホントにわかってない。そこは地獄だろ?お前は幸せな人を殺したんじゃない。懸命にひたむきに生きてきた人生を潰したのだ。 …なんかマスコミが、被害者を『幸せに暮らしていた人を』みたいな図式にしたがるので、なんだか頭にきたわたしであった。(この事件のことは夜廻り猫にはありません) 5巻の、『うまれて悪かったなあ…』と生活が大変そうな両親を見て思ってしまった子供がいとおしい。いるだけで役にたってるさ、君は。
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