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『 オーケンの私は変な映画を観た!!』1、2 大槻ケンヂ キネマ旬報
映画というのは不思議なものである。全体的には傑作と言いがたくても、チャーミングなところがあれば、カルト的に人気がでたりする。オーケンの好きな映画も、そういうチャーミングな映画が多いようで。
たとえば、『星くず兄弟の伝説』。とてもチープでキッチュな画面がいとおしい(観た)。もっともオーケンは、史上最悪の例えに使っていたようで。『今夜はホシキョー』(ホシキョーとは、星くず兄弟の伝説の略)
『ホシキョーすんでのところ』
など、バリエーションも豊富。
サブカルチャー有名人がカメオ出演してたりもして、パーティーのお客さんのなかに何人分かるかなってかんじ。中島らもはわかった。今はなき戸川京子もかわいい。意味判らんかったが、悪役のボスがヒトラーみたいな面をかぶっているのは、悪役の大物役者の予算がなくていわゆる、『悪い人の記号』だったらしい。ワケわかんないっての。観てる側は。
『オーケンのわたしは変な映画を観た!!2』(キネマ旬報社)では、『太陽を盗んだ男』(ジュリー主演)でローリングストーンズを呼べとか無茶苦茶な要求をする犯人(ジュリー)に対して刑事である菅原文太が、『ろおおりんぐすとおんずなどこおん!』…ローリングストーンズ知らないのがまるわかり。彼にとってはよくわかんないバンドなのね。オーケンはそれの応用で色んなバンドを入れて爆笑させてくれる。
『あ~はなんぞ来おん!』『かじゃぐうぐうなど来おん!りまーるはもっと来おん!』爆笑しましたよ、わたしは。
ところで、エド.ウッドてみなさんご存知でしょうか。まえにジョニー.デップ主演で映画化されたのだが。エドは実在の人物で、とる映画とる映画最悪という伝説の持ち主。映画化に当たって、本家のエドが撮ったの、わたしも観たのだけど…あんなにつまんないとは…驚いた。途中でギブアップ。きっと最悪のもん撮ったとしても、自分が撮ったものがいとおしくて、カットとか考えてなかったんじゃないでしょうか。エドが制作に加わった『死霊の盆踊り』もすごいです。オーケンは、出来はともあれ制作者の努力を優しく汲み取ってくれるひとなのだ。
それにしても倫理的に差別などの問題で、『ノストラダムスの大予言』とかはもう、海賊版しか。ちょと残念。
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