第04章 재회(チェフェ) 再会

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「リョウ君、だよね? ユミナガ・リョウ君」 声の主に振り向くと、地区内の強豪校のウェアを着た瞳の大きな少女と目が合った。 長い黒髪は、試合の邪魔にならないように、結ってある。 背中が見えればゼッケンなどで名前が確認できたかもしれないが、正面だと分からない。 「……そう、だけど。君は?」 「やっぱ、覚えてないか。丸山里緒菜」 「マルヤマ・リオナ? ごめん、分からないや」 「だよね。私、リョウ君と同じ保育園だったの。 二中に行った友達がね、リョウ君もテニスやってるよって教えてくれてさ」 「随分、身長伸びたね。160くらい?」 「多分ね」 自分の頭と僕の頭の間を、斜めにした手をひらひらと往復させている。 「明日も試合でしょ? 頑張ってね。私は今日負けちゃった」 「明日の試合、君の中学とやるんだけど」 「えへへ。私だけ、心の中でリョウ君応援するね」 「おい、リョウ、遅いと想ったらナンパかよ?」 うるさいアキラに見つかった。 「ん? 城川中学のウェア? さてはスパイだな」 大袈裟に驚いてみせるアキラ。 「もしくは、ハニートラップで、うちのエースの調子を崩そうと?」 「バカじゃないの? 違うって。同じ保育園だった子」 「なんだ、違うのか。じゃぁ、俺に連絡先教えて」 「どうしてそうなる?」 「だって、可愛いじゃん」 「ごめんね、変な奴絡んできちゃって」 「えへへ。全然。明日頑張ってね、リョウ君」 リオナちゃんと別れて、そういえば、『えへへ』って良く笑う女の子が居たような気がした。 もし、あの子がハニートラップを仕掛けて来ても、僕のハートは動じない。 だって、昨夜(ナビ)以上の動揺はあり得ないから。 今日の僕のメンタル、良く頑張ったと想うよ。 僕は、帰りのバスで爆睡しながら帰路に着いた。
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