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約2時間のフライトを終え、私を乗せた便はソフトランディングで到着した。
着陸前には、穏やかな海と、壮大なアートを描くような波頭が見えた。
韓国に直接面した海ではなかったが、日本と韓国の大地は空と海で繋がっている気がした。
何度か日本には来ているが、この空港に降り立つのは初めてだった。
地図で見た時は遠く感じたけど、実際に来てみると意外に近い気がした。
成田や仁川のようなハブ空港ではないが、直行便もある。
ソウルの金曜日夜の渋滞に比べたら、目的地までの時間は早いかもしれない。
タラップを降りながら、機内モードを解除し、kakaoを起動する。
弓永慶祐は既に到着ロビーで待っているそうだ。
心なしか踵に力が入る。
空港施設内から見えるのは、殺風景な景色。
インドア派の私は、プライベートで外に出ることは少ない。
ワールドツアーやミュージックビデオの撮影で海外の空港はよく使う。
日本の福岡空港やベトナムのダナン空港は街中にあるが、他の空港は似たり寄ったり。
山の方か、海の方が多い。
それでも、記念に窓の向こうに広がる景色を自撮りする。
勿論、小豆丸を抱えながら。
私は、体全体でリズムをとりながら、待ち人の許へと向かった。
伴奏はキャリーバッグのロール音。
アッチェレランド。だんだん速く。
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