第03章 날개(ナルゲ) ツバサ

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第03章 날개(ナルゲ) ツバサ

「ナビが日本に来るって。お前にも逢ってみたいって」 もう言葉も出ないよ、驚き過ぎで。 僕は、父さんのスマホの画面を覗き込む。 ……読めねー。 僕は、ナビペンだ。 ペンとは韓国語でファンの意味。 ハングルでどう書くかは知らないけどね。 ナビの公式ツイッターも、インスタも、YouTubeチャンネルも僕は登録済だ。 でも、父さんの画面に映るのは、僕が見たことないSNS。 文字は全てハングル。 アイコンで直感的に項目は分かる。 恐らくは、ごく親しい人との連絡の為だけにつくった裏アカ。 後で教えてもらったが、kakao(カカオ)という韓国では有名なアプリだそうだ。  その夜、僕はなかなか寝つけなかった。 ……なんてことはなく、爆睡していた。 何なら、風呂場で半分寝かかっていた処を父さんに起こされたくらいだ。 試合前に緊張で寝れないなんてこととは無縁なんだろう。 こうなったら、大会も優勝して、父さんもナビも驚かしてやりたくなってきた。 目には、目を。 サプライズには、サプライズを。
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