第5章 マクスウェルとは

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第5章 マクスウェルとは

 酔っ払って教会に戻ったものだから、当然のようにラピスから怒られた。それはもう、こってりと。もちろん、怒られるメインはトムソンだったが、どうして力尽くで止めなかったのかとラグランスも怒られた。 「いや、自警団の奴もいたからさ。下手に断ると疑われるかなって」 「疑われませんよ。というか、神父服を着たまま飲酒してる方がずっと問題でしょ。それも魔導師がついていながら。信じられない」  ラピスは嘆かわしいと、大袈裟なまでの溜め息を吐いてみせた。まったく、本当にしっかりしたシスターだ。ぜひ、魔導師になって頂きたい。 「それで、何か成果はあったわけ?」 「――」 「――」  ラピスの問いに、二人揃って沈黙する。ただ三人でだべっていただけだ。何一つ進展はしていない。 「でしょうね。ま、これでラグが町の連中に怪しまれることはないわ。それだけでも良しとするか」 「それはどうだろうな」  ラピスの意見に、珍しくトムソンは反対を表明する。そしてその顔はとても真剣だ。 「どうかしたのか?」 「いいか。自警団の連中はマクスウェルを守っているんだ。しかも崇拝している。ということは」 「俺の真意を探っていたと?」 「そう。おそらくゼーマンはゴルドンに頼まれて俺たちに声を掛けたんだろう。で、酔わして本音を引き出そうとしたに違いない」 「な、なるほど」
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