おぎゃーーーー!

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おぎゃーーーー!

「あーーーー! おぎゃーーわ! まーーーーーーーーーー!!?」 あれ? 俺、何か声変じゃね? しかも、何で叫んでたんだ?? ん? 何だ、ここ… 眩しい…… 白、白、白に金色のラインが見える。 部屋? 凄い天井が高くて、アラブのモスクみたいな。 夢かな。 ちょっと頬っぺたでもつねってみるか。 ポヨ~ン !!! 俺、頬っぺたつねろうとしたけど、上手くいかない。 だけじゃなくて、俺?の頬っぺた凄いポヨンって。 餅? 俺の頬っぺたどうなったー!? 何なんだ! ペチペチペチペチ 「いじゃい!(いたい)」 ちょっと叩いたつもりが結構な力だったのか痛かった。 夢じゃないのか? どうしよう…… 締め切り前なのに。こんな所にいる場合じゃないよ。 どこだろここ。早く帰らなくちゃ。 「あら、目が覚めたんですね」 大きな白いドアから茶色い髪に水色っぽい服に白いエプロン姿の女の人が入ってきた。 「あにょ、しゅみましぇんが、ここどこでちゅか?(あの、すみませんが、ここどこですか)」 「!!!!」 「!!!?」 女の人は目を大きく開けてビックリしてる。 俺は俺で上手く喋れなかった事と声が変な事に驚いている。 「あにょ…(あの)」 「た、た、た、大変!サアラ様が喋った!!お、奥様ーーーー!」 茶色い髪の女の人は目を白黒させながら走って部屋から出て行ってしまった。 困ったなー。 折角ここがどこか聞けると思ったのに。 ま、とにかく帰らなきゃいけないし部屋から出てみるか。 モフモフモフモフ ドン!! やたらにフカフカな布団を歩いていたら、柵にぶつかった。 頭をねじ込んでみるも出れそうにない。 見上げてみるとあまり柵は高くないみたいだ。 よし!よじ登ってみるか。 手を伸ばして柵の上を掴もう。 んーんーーん もう少し! バタン! 勢いよくドアの開いた音がした。 見ると四人の外国人風な人が息を切らして立っていた。 紺色の中世ヨーロッパ貴族風な服の美術の石膏像みたちな顔の金髪男と、真っ白い服を着て、眼鏡で黒髪がオールバックな男、それから、紫色に金で花模様のゴージャスなドレスのプラチナブロンドの美人な女の人が一人。 あ、さっきの茶色い髪の女の人もいる。 中央の一際ゴージャスな女の人と目があった。 「きゃーーーー!!!サアラ!柵に登ってはいけないわ!」 あまりの大きな声に折角つかんだ柵の頂上を離してしまった。 あれ~ 立っていられない。 ドッシン! 俺は尻餅をついたのかと思いきや、何とそのまま横に全身で倒れていた。 あれれ モフモフな布団のお陰で痛くはないけど、なぜこうなった? 四人が走って駆け寄ってきた。 「サアラ!貴方はまだ赤ちゃんなんだから、立ってはダメよ!危ないわ!」 ゴージャスな女の人が俺を抱き上げた。 俺を 抱き上げ た !!!!!!!!!!!!!!!!!? えーーーーー? 何々 この人達、巨人なの? それに、さっき赤ちゃんって言ってたけど、見渡してもこの部屋に赤ちゃんはいませんけど。 「この月齢でつかまり立ちをするのはまだ早いですね…好奇心旺盛なお子様ですね。」 黒髪オールバックの男の人が言った。 「うむ…柵から落ちたら危ないな。もう少し大きな柵を作らせるか」 「そうね。ベビーベッドは結構な高さがありますものね。」 石膏像みたいな顔立ちの男の人がゴージャスな女の人を話している。 茶色い髪の人は目を見開いたまま呆然としている。 大丈夫か? 「あにょ、ここはどこでちゅか?(あの、ここはどこですか)」 「!!!!!!?」 俺は意を決して話しかけてみた。 だれも答えてくれない。 皆石みたいに固まってる。 俺の発音が悪いのか? では、もう一度。 「あにょ、あにょ、しゅみましぇんが、ここはどこでちゅか?うちにかえにちゃいんれすが。(あの、あの、すみませんが、ここはどこですか?家に帰りたいんですが)」 「…サアラ様、ここが貴方の家ですよ…」 茶色い髪の女の人が答えてくれた。 ブルブルブルブル ん?地震か? いや、ゴージャスな女の人の手が凄い震えてるんだ。 ずるずる… 俺はゴージャスな女の人の腕から少しずつ落ちてきた。 あ、落ちると思った時、茶色い髪の女の人が急いでキャッチしてくれた。 セーフ。 巨人から落ちたら無事ではないだろう。 「イェブァ、サアラを落としたら危ないじゃないか。」 「す、スミマセン。あなた…あまりの事に。」 どうやら石膏像みたいな顔立ちの男の人とゴージャスな女の人は夫婦の様だ。 「まさか、生後6ヶ月で喋るとは。私も前例を知りません!」 オールバックの男の人が興奮ぎみ言った。 皆の様子を見ていて、何となくひょっとしたらこれは自分の事なのか?と思えてきた。 「ろっきゃげちゅって、ましゃか、おりぇのこちょ?(6ヶ月て、まさか、俺の事?)」 ドタン! 俺が喋った後すぐにゴージャスな女の人が倒れた。 「イェブァ!」 「奥様!」 石膏像の様な顔立ちの男の人、髪がオールバックの男の人が慌てて駆け寄った。 その後ろから俺を抱いた茶色い髪の女の人が二人の間からイェブァを覗く。 顔色が悪い。 さっきこの部屋にきた時はピンク色の頬だったのに青ざめている。 青ざめていても儚げで美しい人だな。 プラチナブロンドなんて実物は初めてみたけど、なめらかで絹みたい。 肌も透き通る陶器みたいな肌だ。 こんな美人と夫婦なんて、石膏像みたいな顔立ちの男の人は羨ましいな。 まぁ、彼も相当なイケメンだから美男美女か… 俺なんか話しかけても貰えないんだろうなー
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