119人が本棚に入れています
本棚に追加
従兄3
あいつが泣きながら連絡してきた。正直最初は泣きすぎて何言ってるかわからなかった。
「刺され、た、刺されちゃった、私のせい、私のせいなの、私が悪いの」
「落ち着け、落ち着いて、最初からゆっくり話せ。…何があった?」
「…私の、ストーカーが…家に、来て…。あの人が刺されちゃって、今、病院…目覚まさないの、どうしよ…」
「とりあえずそこ行く、どこの病院だ?」
「…駄目、バレちゃった、浮気…してる、こと。だから、もう、会えない…もう夫を、裏切りたくないんだ、ごめんね…」
「おい、ちょっと待っ…」
電話は切られた。
その後何度もかけるが繋がらない。
自分のせいで刺された夫を、罪悪感で無理矢理好きになるのは間違ってる。
違う、そんなの誰も幸せにならねぇんだよ。
俺は深呼吸をして覚悟を決めた。
俺は刺された友人にメッセージを送った。
『大丈夫か?あいつに全てを話そうと思う。退院したら連絡くれ』
『わかった』
あいつらしい簡潔な返信だ。
最初のコメントを投稿しよう!