私4

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私4

夫が退院するまで私は毎日病院に通った。 一人で家にいるときは色んな罪悪感で潰れそうになる。 愛のない結婚、浮気、私のストーカーが夫を刺したこと。 夫は私の浮気についてあれから何も言ってこない。 罪滅ぼしのつもりか、少しでも罪を軽くしようとしているのか、とりあえ従兄にはもう会わないと一方的に伝えた。 何度も電話がかかってきていたがしばらくすると連絡も来なくなった。 彼のことは本当に好きだったけど、私はもう夫を裏切りたくはないのだ。 でも、夫が俺の嫁に何してんだって言ったときは素直に嬉しかった。 吊り橋効果かもしれないけど。 もやもやしているうちに夫の退院が決まった。 私は夫の荷物を持ち、一緒にタクシーに乗った。 家までの間、私たちの間に会話はなかった。 家に着くと夫はリビングのソファに座った。久しぶりに歩いて疲れたのかもしれない。 「お茶いれますか?」 「ああ、頼む」 お茶を入れているとピンポーンとインターホンが鳴った。 私は少し固まった。 モニターを付けた。 「はい」 「俺、退院祝い持ってきたから開けて」 彼だった。 退院のことは知らせてないはずなのに。 「悪い、開けてきてくれ」 「…はい」 夫のその言葉に逆らえなかった。 夫が退院すると伝え、呼んだのかもしれない。 開けるのが、とても怖い。 いつもより重く感じるドアをゆっくりと開けた。 「や!」 笑顔の彼が現れた。 「…いらっしゃい」 「来たか」 夫も玄関に来たようだ。 夫の方を見ようと後ろを振り向こうとした瞬間、腕を引っ張られ、唇に何かが当たった。 彼の顔が凄く近い。 彼にキスされた。 夫の、前で。
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