夫3

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最初は警戒された。 そりゃそうだよな、彼女を寝取られた男が、寝取った男に会いに行くなんて、怪しすぎるもんな。 でも俺はコイツにお礼を言った。 「彼女を寝取ってくれてありがとう。おかげで自分の性癖に気づけたよ」 コイツは腹を抱えて笑っていた。 その後、打ち解けて仲良くなった。 俺が女と付き合い、コイツが寝取るっていうのを何度もしてた。 大学に入ってからもこの関係は続いていた。 俺の内定が決まった頃、コイツはお前との結婚話を持ちかけてきた。 自分の従妹なんだが、結婚してくれないかと持ちかけられた。 もちろん、まだお前と会う前、俺は見たこともなかったよ。 「従兄妹同士の結婚を親族は認めてくれない。なら、誰かと結婚させればいいって思った。お前を信用して頼む」 「そう上手く俺と結婚するだろうか」 「するよ。俺がそうさせる」 知らない女の運命を勝手に決めるなんて許されないことなんだろうとは思った。 でもそれ以上に好奇心が勝った。これはあの子供のときの興奮を超えるはずだって思ったから。 俺が選ばれたのは、一流企業の内定が決まり生活に困らないこと、そしてお前に恋愛感情を絶対に持たないからってことはすぐにわかった。 むしろ高校のときから俺は見定められてたのかもな。 コイツの言った通り、お前を紹介され、付き合い、結婚した。 最初は少し罪悪感はあった。 でも、コイツと浮気するお前を見て、幸せそうなお前を見て、良かったって思った。 俺はお前らのファンだ。2人で幸せそうにしているのを見ていたい。たまに性的な目で見るけど。 だから、俺が刺されたのもファンとして推しを守る感覚だから気にしないでいい。 罪悪感で俺を好きになるなよ。
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