私5

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私5

この人は本当に私の知っている夫なのだろうか。 夫の告白を聞いて一番に思ったことだ。 「どんな寝取られのAVよりもお前たち2人の方が何倍も興奮する」 この人は今まで見たことないいい笑顔で何を言い出しているんだろうか。 「俺への懺悔を言いながらのプレイとか俺のベッドでしてたときとか。あーあと、あの首元にキスマークついてたときは本当に興奮した。会社休もうか本当に迷ったレベルで」 無口で、真面目な夫はどこへいったんだろう。今までよく隠せていたなと思う。私たち夫婦は本当に、いや、私が夫に本当に興味がなかっただけかもしれない。 「コイツの変化についていけないんだろ?」 「今まで無口だったしな」 「俺を諦めたお前は、俺に似たタイプより正反対な性格の方が落ちやすいと思ってな。そうするよう頼んだんだ」 私の知らないところで、私が動かされていた?説明を聞いても理解が追い付かない。 というか、本当に私は彼の計画通りに動いていたのか。 「お前もそんなに喜ぶなよ」 彼は私にそう告げた。 「え?」 私は部屋においてある鏡の方を向かされた。 私は夫のように良い笑顔で笑っていた。 あれ?ああ、そっか。物足りないと思っていた夫が想像を超えたクズで嬉しいんだ。初恋のクズな従兄が手に入って嬉しいだ。 「俺ら3人は利害が一致している。俺はお前といたい。お前は俺といたい。こいつは俺らを見ていたい。被害者なんていない。法律にも、親にも文句は言わせない」 彼は私の手を取り、薬指に指輪をはめてくれた。 私の手には、夫の指輪の上に彼の指輪。 私はそれを見て幸せを感じた。
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