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家事が終われば私はとても暇になる。
この暇な間に、私の歪んだ恋愛観について少し話そう。
人は誰しも初恋の相手がいるだろう。私にもいた。そして、よく言われる通り初恋は叶わなかった。
しかし、その後も会う男性、会う男性に、初恋相手と似た部分を探す。そして、妥協して付き合うのだ。その延長で私は今の夫と結婚した。
いい暮らしもさせてもらい、愛情表現も少ないほどよい距離感で私は今の生活に一応満足はしている。
ピンポンとチャイムがなった。
「…はい」
「来ちゃったー。ケーキも買ってきたから食おうぜ」
扉を開けると美味しいと評判なケーキ屋の箱を持った男、もとい私の初恋の相手が現れた。
「ん?どした?」
彼はにやにやしながら聞いてくる。
「どうぞ」
私はそれを無視してスリッパを出した。
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