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番外編:出会い
俺のスマホから定番の恋愛ソングの着メロが流れた。
「えーなになに、彼女ー?」
俺の肩に手を回してきた男は、高校時代からの悪友であり、後の俺の妻になる女の従兄であった。
「久しぶりだな」
「おーてかなに、なんで俺の着メロ恋愛ソングにしてんの。そっち系に目覚めたの?」
やだーと言いながら俺から離れた。
「前にお前がいじったままにしてただけだ」
「え、俺そんなことしてたっけ?」
そうだった。コイツは悪戯したことに満足して終わるタイプだった。
「それより聞いたよ、第1志望の内定取れたんだって?」
「ああ」
「一流企業だろ。さっすがー」
「お前はどうなんだ?」
「俺は別にいいんだよ。…場所を変えてちょっと話そうぜ」
コイツはわざとらしくキョロキョロと辺りを見回した。
「な?」
俺はただ頷いた。
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