ぷろろーぐ的な

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ぷろろーぐ的な

 僕、黒澤翼(クロサワツバサ)は朝食をテーブルへと並べ、ニュースを観ていた。 テッテレー 『おはようございます。ニュース! 貴方の朝にどうですか。のお時間です。 アナウンサーはエクスカリバー細井が務めさせていただきます。 最初のニュースです。速報! 下着泥棒逮捕! 昨晩、女性物の下着を狙った悪質犯が現行犯逮捕されました。 動機は重ねて履き続けたら新記録で載るんじゃないのかとの事。 28枚目でヨレヨレの下着が見つからず重ね着出来なかったから自首した、と犯人の供述』  朝から色々と不安になるニュースだ。クレームに繋がらなければいいがなどと考えていたらリビングへ入ってくる人物がいた。 「おはよう! お兄ちゃん! 朝からのシャワーはやっぱり爽快だよね!」 「…おはよう。美奈」  僕に挨拶してきた彼女は妹の黒澤美奈(クロサワミナ)である。 艶のある肩まで伸びた黒髪にクリっとした眼。一つ一つのパーツが整っていて愛嬌がある。 容姿端麗で文武両道と学校では評判なのだが僕の前では違っている。 「お兄ちゃんニュース観た? 怖いよね下着泥棒。捕まったから良かったけど美奈も気を付けないと」 怯えた表情で話をしている美奈は、下着姿である。 「…美奈。とりあえず制服着なさい。下着でウロウロしない。誰かに見られたらどうする」 「お兄ちゃんにだけ見せるから大丈夫。寧ろ見て新しい下着!」  バッと両手を広げ下着を見せようとしてくるので顔を横に背け視界に入らないようにした。  何が大丈夫なんだろうか。心配だらけだよお兄ちゃんは。 「照れちゃってお兄ちゃん。でも今更でしょ。だってお兄ちゃんと美奈は…」 「只の兄妹だ。バカ言ってないで早く制服着てきなさい」 「はーい。…お兄ちゃん、覗いたらダメだよ。絶対ダメだからね!」 「はいはい」  そう言って美奈は自室へと制服を着替えにむかった。
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