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「ところで有岡くん。マコトさんとはどうなの?」
ワカメスープを一口飲むと、白石は首を傾げながら僕に訊いてきた。
「えっ?」
「有岡くん。
最近根本くんの飲み会で、マコトさんと旅行行ってから殆ど連絡取れてない、って言ってたから、どうなったのかなと思って……」
「マコトには、彼氏が出来た」
僕は白石に告げると、やけ食いのように目の前のチキンカツを口にした。
「えっ、そうなの?」
どうやら白石も広田から聞かされていなかったらしく、僕の報告に目を丸くさせる。
「しかも、その彼氏が広田だよ」
僕は、昨日マコトから聞かされた事実を苦笑いで白石に告げると、そのまま言葉を続けていく。
「あのさ、俺。
前に、広田とか森とかを引き連れてマコト達と合コンした、って信也の飲み会で言ったじゃん。
そしたら、それキッカケで二人が付き合いだした、っていうんだからよ。
全く、世の中分かんねえモンだよ」
「広田くんか……」
白石も広田のその性格を知っているからか、僕の話を聞き終えた後、苦笑いを浮かばせた。
「でも、付き合ったってなったら、マコトさんには幸せになって欲しいよね。
有岡くん的には、ちょっと残念な結果かもだけど」
「俺的に残念かどうかは、ともかくよ……」
付け合わせのキャベツを食べるのを僕はやめると、白石に目を向け、語っていく。
「でも、この結果は仕方ないよ。
合コンって場を作ったのは、当の俺なんだしさ。
二人が付き合った、って結果に仮に不満があったとしても、こればっかりは自分を責めるしかないよ。
あとよ、白石。
これは散々言ってるけど、俺とマコトはあくまで『友達』
別にマコトと付き合ってて二股かけられた、って訳でもないから、俺のダメージはそんなでも無いんだよ、うん」
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