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「えっ……、20歳。
前にTwitterに書いたかもだけど、マコトの一つ下だよ」
「20歳なのに、どっかオッサンくさいんだよね、タクヤ」
僕の言葉を聞き終えたマコトは、肩をすくめた。
「言っても、私より一つ若いんだからさ。
2日くらいオールしても大丈夫、ってな気持ちで今日はこのまま残りなよ。
せっかく、話が盛り上がってんのに」
「ゴメン、帰るよ。
オッサンって思ってくれてもいいよ、別に。
でも、これが俺のライフスタイルだから」
僕が頑なに帰る事を強調すると、マコトもさすがに折れたのか、立ち上がり食べ終えたゴミを捨てると、我々二人はマクドナルドを後にした。
横断歩道を渡り、数分歩いて駅へとたどり着くと、そこで僕達は別れた。
「じゃ、また今度ね。
今度、米倉さんのライブがあったら、もうタクヤ優先で誘うよ。
『こめ』のCDも、また会った時に持ってくるからさ」
「うん、ヨロシク。
今日はありがと、俺も楽しかった」
去り際にお互い一言ずつ言って別れたのだが、僕とマコトとのやり取りは帰りの電車の中でのTwitterでも続いた。
元々、僕達二人は「文字だけの会話」によって交流を育んできたのである。
Twitterというパブリックな場で行うやり取りは、お互いのホームグラウンドとも言うべき場でのやり取りであり、僕達二人は今度「文字だけの会話」によって、今日のライブの感想を語り合った。
そして、この日のライブ以降、マコトとはLINEも含め、以前よりも深くやり取りをするようになった。
やはり、「一度会った」という事実は大きいのか、僕にしろマコトにしろTwitterのタイムラインでお互いの書き込みを見掛けたら、ほぼ確実に「メンション」や「いいね」といった何かしらの反応を行うようになった。
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