●お兄さん真面目そうだし、言わない方が良かったかな

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その時、ラーメンが僕ら二人の元に届けられた。 スープは塩、細麺。 鶏肉から作られたチャーシューは、淡白ではあるが塩ラーメンとの相性が絶妙であり、麺をすすったりんは「ヤバっ!」と舌鼓を打った。 「ラーメン食いながらでいいから、マコトの事を教えてくれよ」 僕もラーメンを一口すすると、黙々と食べ進めているりんに向かって言う。 「単純にラーメン食いに来た訳じゃないんだからよ。 広田の話でちょっと脇道に逸れたけど、肝心のマコトの話を聞かせてくれよ」 「りょーかい」 りんは箸を置くと、真摯な視線を僕に向けた。 「ところで、タクヤくんさぁ」 りんは、テーブルの上で両腕を組むと、心持ち身を乗り出す。 「マコっちゃんが何をしてたかっての、タクヤくんは知ってた訳?」 「いや、知らない」 僕は首を振った。 「それについては、マコトは一切話してくれなかったんだ。 『私が何をしているかは言えない』、の一点張りでよ」 「じゃあ、タクヤくんはマコっちゃんと『お客さん』として遊んで知り合った、って訳じゃないんだね」 「お客さん……?」 僕は再び、首をかしげた。 「あっ、その様子じゃホントに知らないっぽいね」 りんは肩をすくめると、スープを二口程飲み、喉をしめらせた。 「ちょっと待って、お客さんってどういう意味だよ」 りんの口から出てきた突拍子の無い言葉を訝しげに思った僕は、すぐさま続きを述べるよう促す。 「うーん、言ってもいいんだけど、これ言ってタクヤくん引かないかな……」 もったいぶった口調でりんは言うと、僕から視線を外す。 「でも、まぁいいか。 マコっちゃんに全部話してくれってアタシ、言われてるし」 しかし、話す決意を固めたらしく、りんは再び僕に視線を向けた。 「マコっちゃんね、実はタクヤくんが想像もつかない事やってたの」 「どんな?」 「援デリ」
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