【第一部】 ──青年──

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しかし、その米倉翔吾のライブチケットが当選したと、マコトは抽選結果の発表が行われた日にTwitterにて報告をしたのだ。 そして、当然というべきか、僕やTwitterで繋がっているマコト以外の米倉翔吾ファンはチケット当選はならず。 が、そのマコトの報告に、僕を含む米倉翔吾のファン達は、嫉妬する事なく 「おめでとう、楽しんでこいよ!」 といったコメントを送ったり、くだりのツイートを「いいね」するといった行為で、マコトの幸運を祝した。 しかし、マコトが「米倉翔吾のチケットが当選した」という報告をTwitterでおこなってから、3ヶ月後。 マコトは、どこか逼迫した様子を見せながら、こんなツイートをした。 『マジ勘弁……。 一緒に行こうって言ってた奴が、やっぱりやめる、とか急に言ってきて米倉翔吾のチケットが一枚余った。 ライブ、明日だけど誰か行ける人いる? 連絡下さい。 #拡散希望』 僕は、このマコトのツイートを「リツイート」という形で拡散すると同時に、 『俺、ライブ行けるかも。っていうか行きたい!』 というツイートを、マコトに対して送った。 運が良いというべきか、マコトが行こうとしている会場のライブハウスは、ちょうど僕の住んでいる都道府県にあったのだ。 そして、晩御飯を食べ終え、入浴も済ませた、午後10時頃。 マコトから、Twitter内で非公開のやり取りが出来る「ダイレクトメール」が、僕の元に送られてきた。 『タクヤ、ありがと。 タクヤなら、色んな意味で大丈夫かな? とりあえず、LINEのQRコード送っておくから、お金とか待ち合わせとかは、そっちでやり取りしようか? よろしこ( ゚∀゚)ノ』 ダイレクトメールの内容から察するに、どうやらマコトは僕を米倉翔吾のライブの同行者として選んだようであった。
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