【第一部】 ──青年──

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『了解、じゃ早速LINE登録するわ』 その後、LINEにおいてもマコトと繋がった僕は、チケットの代金や待ち合わせ場所、時間。 当日のお互いの服装や、ライブに行くまで何をして時間を潰すかなどを、LINEを通じて話し合った。 ちなみにマコトはこの時、自分は前回のツアーTシャツにデニム。 そして、黒のコンバースを履いてくると、僕にLINEを送ってきていた。 『タクヤ、ありがとね♪ それじゃ明日、会えるの楽しみにしてるよ』 そして、1時間程LINEでやり取りをした後、マコトは締めくくりの言葉を送り、最後にその言葉を彩るようなLINEスタンプを送ってきた。 『うん、じゃあまた明日。 俺も、マコトと会えるの楽しみにしてる! チケットありがとう。 まさか行けるとか思ってなかったから、今、すんげぇドキドキしてるんだけど(笑)』 僕も締めくくりの言葉をマコトに対して送ると、スマートフォンを枕元に置き、ベッドにて就寝を試みた。 ──ライブももちろん楽しみだけど、マコトと会えんのも楽しみだなぁ。 Twitterでマコトとやり取りしてるとクソ面白いし、家が近かったらこれを機会に遊ぶってのもアリかな。 しかし、思いもよらないライブへの参戦と、文字だけのやり取りであるのにも関わらず妙にウマの合うマコトと「リアル」において会えるという事から、僕はなかなか眠りにつく事が出来なかった。 この、高揚したテンションを少しでも静めたいと思った僕は、スマートフォンを適当にいじくる事で睡魔を呼び込もうと試みた。 が、その過程で米倉翔吾関連の動画を見てしまった事で、逆にテンションが高まってしまったのか。 結局、僕が眠りについたのは、深夜の2時を過ぎた頃であり、せっかくの貴重な米倉翔吾のライブに行くにも関わらず、僕は睡眠不足を抱えながらそのライブへと臨む事となった。
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