●Season Train

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「どんだけ、食べるんだよ」 無尽蔵とも言えるマコトの食欲に、僕はただただ呆れてしまった。 「えー、だってこれ、ネットで美味しいって評判だったんだもん。 『新幹線の駅の中でしか買えないから、今度の夏フェスに新幹線で行く人は絶対買って下さい』 って、ツイートしてる人もいたし。 タクヤ、幾つかいる? さすがに、8個全部食べるのは朝ごはん抜きの私でもちょっとしんどいしさ」 「じゃ、ちょっともらうよ」 僕は、今度はマコトの好意に甘え「たまらんチーズ」と描かれたパッケージから、一口サイズのチーズケーキを取り出し、それを口の中に入れた。 「あっ、美味しい」 ミルクのコクと、チーズの酸味が混じりあった一口サイズのチーズケーキは、絶妙とも言える味であった。 「ほらー、だから美味しいって言ったじゃん」 僕の感想にマコトは笑うと、ペットボトルの緑茶を飲み、チーズケーキを次々と口の中に放り込む。 「もう一ついい?」 「どうぞ、どうぞ」 あまりに絶妙な味であったからか、マコトの好意に甘えた僕は結局3つもチーズケーキを食べてしまった。 「あー、米倉さん。 菅さんとのユニットで何を歌うんだろね」 そして、お互いの食事が終わった後。 マコトは肩にかけていたPORTERのバッグからスマートフォンを取り出すと、それを触りながら言った。 「えっ、『原色の空』でしょ。 それ以外に何があんの? 米倉さん、菅さんとのユニットではその曲しかシングル出してないし」 「いやいや、それは歌うの確実じゃん。 何、言っちゃってんの、タクヤくん」 マコトはスマートフォンから僕に視線を移すと、肩をすくめながら述べ、言葉を続ける。
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