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マコトと付き合うと決まって以降、僕はマコトの店である「大吉」にほぼ毎日通った。 「忙しくなったら、俺も店を手伝うよ」 未だ、客として店に来ていた僕は、ぐるりと店内を見渡しながら、カウンター内のマコトに対して言った。 「いいよ、そんなの。 大体、いつも一人でやっていけるくらいのお客さんしか来ないし、ホントに困ったらお客さんも空気を読んで、ビールを自分で取っていったりしてるからさ」 「俺的には、そのカウンターの中に入って、マコトと一緒に働きたいんだけどなぁ」 僕は残念に思ったが、今から思えばこの時に僕は気付くべきだったのだ。 マコトは決して、遠慮していた訳ではない。 自らが抱えている闇の一端を、マコトは僕に見せたくなかっただけなのだと。 店が休みである木曜には、僕は店ではなくマコトの家に通った。 マコトの家は、風俗街の真ん中にある古びたマンションの3階にあった。 「敷金、礼金無しってなると、こういう部屋しか無くてさ。 でもまぁ、店から近いしそういう面では有り難いんだけど」 1LDKの部屋を見回しながら、マコトはケラケラと笑う。 「近い内に一緒に住もうぜ」 「まぁ、いつかね」 マコトは、「そうだね」と明言してくれなかった。 この1LDKの部屋で、僕とマコトは何回もセックスをする事で、愛情を深めていった。 自らの心に内包している寂しさを、少しでも埋めようとしているのか。 僕が避妊具に射精し、全ての事が終わると、マコトはいつも僕の身体を力強くハグしてきた。 「もう、一人になりたくない……」 僕の胸元でポツリとマコトが洩らすまでが、一連の流れであった。 セックスが終わると、僕とマコトはテレビを見たり、スマートフォンにダウンロードした米倉翔吾の楽曲を聴いたりなどをして会話を繰り広げていった。 「米倉さん、最近またCMに曲が使われてきてるよね……」 枕元のスマートフォンから流れてくる曲を聴きながら、マコトはそれとなく僕に訊く。
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