恋って残酷――

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「俺? 俺は……お前……」お返しとばかりにここで一旦言葉を止めて、目の前のこいつの様子を窺い――そしてすぐに「……が言ったら教えても……いい」そう返してやった。するとヤツは薄く笑い、俺の指にある煙草をヒョイと取り上げて自分の口へと突っ込んだ。 「……って、おい! それ俺ンだ……ろ」 「代わりにコレをやる」  すかさず自分の煙草を俺の口へと突っ込んでよこす。 「ンだよ……これじゃ間接キスじゃん……!」  瞬時に紅潮しそうな頬の熱がこっ恥ずかしくて、俺は咄嗟にそんなことを口走ってしまった。 「間接じゃ足んねえか?」 「――へ?」 「なら直接――するか?」  こういう時のこいつの顔は堪らない。でかい切れ長の二重が細められて、めちゃくちゃ妖艶――すげえ色気にヤられそうだ。同い年なのにとてつもなくオトナに見えて、身体の奥底が熱を持つ。 「て……ッ、てめえが……してえなら……俺は別に……」  いいけど――その言葉は言わせてもらえなかった。  ほろ苦い煙草の香りの唇が、奪い取るように俺に触れた。 「さっき――」 「……ッ、え……?」 「キスしていいって言ったろ?」そう言って口角を上げる。憎たらしいくらいに気障で粋な笑顔で見つめてくる。 「てめえで言ったんだ。忘れたわけじゃねえだろ? なあ、紫月(しづき)
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