メモリ01

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教室に入って荷物を自分の席に置く。 黒板には今日やるテストの教科がチョークで書いてあり、 あぁ、このあと本当にテストあるんだなと実感させられ溜め息をついた。 「おはよう、七ちゃん、由衣ちゃん」 何人かで話してたみたいだったけど私達が来た事に気付いた皆が挨拶してきたので「おはよう」と返した。 「七ちゃん笠原先輩の告白断ったって本当なの!?」 「え...?」 (何で...知ってるの?) 突然の事にひきつった笑顔を作る事しか出来ない私に皆はどんどん質問を浴びせてくる。 「ねぇ何で断ったの?」 「笠原先輩かっこいいのに」 「優しいし頼れるし」 「羨ましいくらいだよ」 (止めて...よ。お願いだから) 耳を塞いでも聞こえてくる皆の声にトゲはない。興味本意で聞いてきているのは分かる。 だからこそ苦しかった。 告白されたのは先週の金曜日、下駄箱に入っていた手紙に時間と待ち合わせ場所の書かれていた。 待ち合わせ場所は私の教室で、そこに行くと笠原先輩が居て好きだと告白された。 この手紙を見たとき私は一人だったし、告白された事だって、断った事だって誰にも言ってないのに。 「笠原先輩言ってたよ。「俺の何が駄目なんだ?」って」 (あの人が皆に...?) 断ったからってそんな事言いふらさなくてもいいのに。 何が駄目だったんだってそんなの...。 だって私知らない。 笠原先輩がどんな人かなんて。 あの日、初めて話した相手に告白されても "怖い"としか思えないよ。
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