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「おはよー」
「おう」
バス停に着くと、既にエースくんは到着していました。
昨日も会いましたが、やっぱりスポーツマンって感じが滲み出てます。
「じゃ、行こっか」
「とりあえずバスだな」
「うん」
時間通りに来たバスに乗り込み、駅に向かいます。
学校内でもよかったんですが、なんというか、有名人なもので笑
落ち着いて食べれないかなと思い、外で食べることにしました。
ただ、学校外で食べるとなると、どうしても一度バスで駅まで出ないと店がないんですよね。
こういう時、学校が山奥にあるって不便だなって思います。
普段は全然そんなこと感じないくらい快適なんですけどね。
バスは順調に駅への道を辿り、
「到着!」
「昨日も来ただろ」
少しテンションの上がった俺と、それを呆れたように見るエースくん。
いや、そうだけど心持ちが違うじゃん?
昨日はよく分からないまま連れて来られましたし。
そして、今回食べるのは
【YAKINIKU】
肉ですよ肉。しかも食べ放題!
そこそこ値段は張りますが、普段食べることもないですし、奮発することにしました。
特に迷うこともなく目的地に辿り着き、早速食べ始めます。
んーこうやって言葉にすると味気ないですが、すごく楽しいんですよ?
しかも、なんといっても、
このエースくんの落ち着いた感じがいい!
普段は騒がしい人しか周りにいませんから。
誰かが何かしらのハプニングを生み出すのが恒例なので安心できないんです。
油断してると大変なことになりますよ。
食べ放題で肉を堪能した後、時間があったのでゲームセンターに遊びに行きました。
女の子たちから見るとエースくんはそれはそれはカッコよく見えるようで、何度か逆ナンされてましたよ?
俺はそれを店員さんにゴリ押しされて買ったタピオカをずぞーっと吸いながら眺めてました。
助けるなんて発想はありません。
あと、タピオカって飲みにくいですね。
バッティングセンターも併設されていて、思いっきり打ちまくりました。
はぁースッキリした。
結構ストレス溜まってたみたいです。
定期的に遊びに来ようかな。
「そろそろ帰る?」
「もうそんな時間か」
まだそんなに遅くないと思うが、と不思議そうなエースくん。
「10分後のバスに乗ろうよ」
「はやいな」
やっぱり?でも、
「園川先輩が部屋に帰ってくる前に戻っていたいんだよね」
「...そんなにあの人が大事なのか」
「え?」
エースくんが何か言ったんですが、声が小さくて聞き取れませんでした。
「なんか言った?」
「なんでもねーよっと」
「おわっ」
急にエースくんが肩を組んできました。
普段そういうことしないからびっくり。
「え、なになに友だちっぽいじゃん」
「お前、肩組むときって大体相手に合わせて屈んだりするだろ?」
「あーまあね」
「俺とならそのまま組めるぜ」
「確かに。いいね」
なんだか仲良くなった気がして嬉しくなり、俺も腕をエースくんの肩にまわします。
普段は素っ気ないエースくんが、そっちからそんなことをしてくれるなんて!
今日はいい日だ。
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