side amamitu

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奏夜と出会ったのは入学式の日。 始めて教室に入って自分の席に座ろうとしたら、隣の席の子が寝ているのに気付いた。 その子の方を見てたら意識がそれて、かなり大きな音を立てちゃった。 音で起きたのか、その子がこっちに向けて顔をあげた。 なんかね。 心をなんかこう鷲掴みされたような気がしたね。 寝起きだからなのか、目が涙で潤み、とろんとしてて その目がだんだん意思を持ってはっきりしていくのが、 なんだか魔法みたいにきれいで惹きつけられた。 眠ってたから奏夜はメガネをしてなくて、 奏夜のきれいな瞳を遮るものはなにもなかった。 僕は奏夜に声をかけられるまで動けなかった。
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