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無邪気かつ残酷な笑顔
その中でも私が1番好きだった遊びはクローバーを見つけることだった。なんたって、クローバーを見つけたら学童保育の先生が押し花にして、栞を作ってくれるのである。本の虫の私は当然欲しがり、毎日地面を凝視しながら探し続けてきた。
未だにその栞はとってある。もう使わないというのに。
栞だけでなく、「クローバーを見つけたら幸せになれる。」という希少性、レア感が子供の私の胸を躍らせたのである。
ある時、このような話を聞いた。
「三つ葉を踏むと、クローバーが生えるらしいよ。」
なんという子供らしい考えだろうか、私はクローバーを見つけたいがためにその他雑草だった三つ葉達を踏みつけたのである。
ぐしゃぐしゃと小さなスニーカーで三つ葉を潰し、茎を曲げたのである。
弱った三つ葉を見て、当時の私は無邪気に思った。
「これで、クローバーがもっと取れるぞ!」
幼い私は自分がしたことを断固として「良い事だ」と疑わなかったのだ。
クローバーがもっと取れれば、私だけでもなく他の子供たちも喜ぶだろう、とさえ思っていたのである。
しかし、結局のところ残酷な行動を他の子供たちも同じように真似していた。
きゃっきゃっと楽しそうに笑いながら。
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