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微かに震える少し冷えた手が僕の頬を撫でて
落ちていった
死んだ、そう僕が思った時から手がカタカタと震えだして止まらない
それが止められなかったときどうなるか僕には
分かっていた
フェイ「くそ!!なんで‥‥止まれよ!止まれ
止まれって‥‥」
自分の意思では体は最早 止まることはなく
訳のわからない焦りが募る
何故、こうなった?ありえない
憎んでいた復讐のことしか頭になかったはずだ
なのに、どうして‥‥愛していると言われた言葉が
触れられた暖かさが離れない
復讐しか考えていなかったはずなのに
どうして僕は彼女の事を愛しいと思った?
復讐しなければならなかったのに僕はこの関係に成り下がった
もう認めざるおえない
僕はメアリーを愛していた
フェイ「あははっ あ~あ
何とか出来るんじゃないかと思ったけど
どうしようもないみたいだね」
もう言葉も返すことすらなくなった
彼女に向かって言葉を紡ぐ
フェイ「‥‥僕の負けだ。認めよう
メアリー僕は貴方を愛していた」
もう体温を失くしてからかなり経つというのに
その姿は死してなお美しかった
フェイ「本当に貴方は酷い人だ
まさしく悪女だよ」
「カチャリ」
自嘲の笑みを浮かべ自らの頭に拳銃を向ける
そう僕は逃れられない愛に捕らえられた
その時点で、もう結末は決まっていた
悔しい、悔しくて仕方がない
それが本心ではあるけれど結果は覆らない
なら僕が取る道もただひとつ
フェイ「貴方が思う通りにいきましょう
それで満足だと言うなら」
「パンッ」
逃れられないなら何処まででも落ちていくまで
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