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それから片づけを一緒にして。先に、この家のどこからどの場所にどの道具を使って掃除をするのかを軽く説明。
掃除機をかけるのはできる、とドヤ顔をしていた尊の頭を撫で雑巾を握らせる。まずは背の高い物から、家具の拭き掃除だと。
飲み込みが早くて大いに助かった。いつもは1人で、丸1日かけてやっていた掃除が昼過ぎには終わった。
風呂掃除を任せている間に弁当屋で弁当を買ってきて、風呂場を覗く。まさか水滴まで拭くとは思わなかった。ピッカピカ、そしてドヤ顔。
「よく頑張ったな、ありがと。飯にしよう」
と頭を撫で回してやれば、服装が変わっていることに気付く。滝のような汗が出たからシャワーを浴びて着替えたんだとか。
それならと、弁当を温めている間に俺もシャワーを浴びる。「せっかく拭いたのに!」って怒っていたな。キスで黙らせたが。
俺の手料理もいいが、出来合いの弁当もいいだろうと思ってのことだったが。思わぬところで尊の好き嫌いを発見。
「これ、カリカリ美味しい。でもこっちはやだ。いらないから、あげるよ!」
ご飯の中央に鎮座している定番のカリカリ小梅。超甘党の尊は嫌だって言うと思ったのに、こっちは気に入ったらしい。代わりに、赤い皮のウインナーを俺の弁当にポイッ。
「変な味がするし美味しくない、見た目も嫌。三日月のカリカリ、ちょーだい」
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