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昨日の夜は、俺が尊を好きかどうか心を確かめるために抱いた。結果、俺は尊を好きだ、愛していると確認したわけで。
尊は、当然次の夜には一緒に寝る。寝る前に愛を込めて抱いてくれると思っていた。けれど俺は普通に寝てしまって、自分の体を気遣ってのことだと思い込むことにした。
俺は、最初にセックスで尊を傷つけてしまったから。抱いてほしいのを我慢して、俺の気遣いを優先した。
実際、尊の体を気遣う気持ちもあった。風呂で尊が自分の体を準備しているのは何となくわかっていたし、どうしようかとは悩んでいたが。
尊から誘ってくるのを、俺は待った。そっけなくしていたら尊は俺をその気にするために、どんな誘惑をするんだろうと待っていた。
「オレ、大丈夫だから。シようよ。オレ、三日月に愛されたい。オレも、三日月を愛したい」
そう言って、尊は俺にキスをした。戸惑って、控えめに俺の口の端に。親鳥からのご飯をねだるヒナ鳥のように、チュッチュッと口の端をつつく。
縋るように俺の首にしがみついて、キスのたびに「んっ」と小さな切ない声を漏らしている尊の口を塞いだ。
尊の口を丸ごと食らって、吸って、舌を入れてかき混ぜて。苦しそうにしたらほんの一瞬だけ離れて、角度を変えてまた食らいつく。
「はぁっ、はぁ……そういう誘い文句も、神様に教えてもらったわけ?クスッ。もう我慢しない。俺の気が済むまで、尊を愛し尽くしてやる」
「ち、ちがっ、オレ……あっ!み、三日月っ。違う、だめだ……っ」
「何が『だめ』なんだよ?お互いの顔も見える、正常位でヤりたかったんだろ?もしかして背中が痛いのか?」
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