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世良尊は安賀里三日月のことが大好きだ、心から愛している。伝わってくる、その熱い想いを一身に受け入れて。
俺も尊の熱い体を抱きしめ、貪るような深い深いキスを交わす。息継ぎで離せば頬、首へと舌を這わしながら深く息を吸いこみ尊の香りで肺を満たす。
首から肩にまで下りると首筋と、鎖骨のあたりに強く吸いついて俺のものだという証を残した。数日では消えないくらい強く、強く。
「ひゃあっ」
噛みついた。甘く鳴いた尊は嬉しそうで、ビクビクと体を震わせる。噛み痕に舌を這わせ、再び顔を上げ耳元へ。
「尊、愛してる。ずっと愛してる。だから……………………消えないで。俺を1人にしないでくれ」
本心を尊の耳へと滑り込ませ、顔を隠すように抱きしめたまま激しく腰を動かし始める。だって俺さ、今絶対にヤバいから。
情けない顔をしているんだ。今、尊の顔を見てしまったらきっと我慢できない。さっきの声だって、ちょっと震えていた。
散々オモチャで遊んでいて、終わって。ふとした瞬間に現実的なことを考えてしまったんだ。
世良尊の命は1週間で終わりを告げる。あと1日。明日、尊は俺の前からもこの世界のどこからも、消えていなくなってしまう。
そう思うと急に不安になって、どうしようもなく寂しくなって。縋りついてしまう。望んでしまう、尊との長い未来を。
「はぁ、はぁっ、尊……っ、は、尊っ」
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