6日目(後編)

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 俺、男だから。愛する人にそんなおねだりされたら理性なんて簡単に吹っ飛ぶ。  まるで発情した狼。ガブッ!と尊の喉に食らいついて、バチュンッバチュンッ!と激しく腰を乱暴に振りたくる。  途中から尊をうつ伏せにさせて腰を高く上げ、何度も尊への愛をぶつける。  当たり前だ、オモチャなんかより俺がいいに決まっている。自分からやっておいて、俺もバイブやローターに嫉妬していた。  強い刺激のたびに上げていた尊の声。バイブの時は高かったし痛みの中に快楽も感じていたが、こうして俺ので突き上げてやると全然違う。  高いうえに甘く、艶があって嬉しそうに鳴くんだ。その声に、尊の俺を好きだーって想いにさらに昂る。  忘れない。明日消えてしまっても、尊のことはずっと忘れない。待っているから。記憶がなくても、見た目が違っても、また生まれ変わった尊が俺に会いに来やすいようにこの場所でずっと待っている。  尊が最後に言った「幸せになって」がどういう意味なのかもわかっているから。けどな、尊以上に愛せるやつなんていないと思うな。  なんて、もうそんなことも考えられないくらいになってきた。俺も尊もお互いの愛を貪り合って。  そうして、甘い甘い夜を明かした。
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