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尊が人間の男、世良尊としてこの世界に生まれ変わって7日目。
朝目が覚めて、腕の中の温もりにフッと笑みがこぼれる。昨晩は何度も愛し合って、お互いに枯れてしまったんじゃないかってくらい愛し合って。
俗にいう、性も根も尽き果てたって感じで寝落ち。愛しい尊は、俺の腕の中で幸せそうに眠っている。
おい、よだれ垂れてるぞ。あぁもう、しょうがないなぁ。引き寄せて、顎を持ち上げて垂れているよだれを舐め取るついでに唇を重ねる。
目覚めのキス?そんなロマンチックなものなんかじゃねぇな。
「いって!?」
「んくっ、クスクスクスクス……。おはよ。三日月、ますますオレのことが大好きになったね?最初はあんなだったのに」
「酷いなぁもう。大好きにさせたんだろ、尊が?ほら、もう10時前だ。さっさと起きて朝飯にするぞ」
唇が触れたのを待ってましたとばかりに、思いきり噛みついてきやがった。鼻に。加減をしねぇんだから、血が出てるんじゃないかってくらい痛かったぞ。
イタズラ好きの子供かよ?愛くるしく笑いやがって。許してしまうんだよなぁ。
仕返しに鼻をつまんでやって、時計を見て起き上がろうとしたら抱きつかれた。「待って」と、声のトーンを落として尊が俺を布団の中に引きずり戻す。
「もうちょっとだけ、このままでいさせて?お願い」
俺の首に頭を擦り付けて、甘えてくる。しがみついてくる、尊の指は俺の背中に食い込んで痛いくらい強い。
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