1日目(前編)

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 が、どれだけ過去をさかのぼっても、この男と同じ顔は思い浮かばない。  だから俺は正直に「誰だ?」と言った。初対面だと思うが、敬語も気づかいもできないくらい、俺は暑さで弱っているからな。勘弁してくれ。  態度は悪いと思う。でも、俺はわからないんだからしょうがない。もしかしたらこの男の勘違いかもしれないだろう?  でももしも人違いじゃなく、本当に俺が忘れているだけだったとしたら?すごい小さい時に一緒に遊んだ、大切な友達だとか?いや、全っ然思い当たらないけど。  それに小さい時の友達なら。小学生の時の同窓会を3年前にやったんだ。女子は何人か欠席だったが男子は全員いたらしい、その中にこいつはいなかった。  まさか、いなかった女子の誰かが華麗に性転換しているのか!?……んなわけないか。妄想が過ぎる。  暑さからの汗に、焦りの汗が混じって流れ落ちた。おかしいな。やけに冷たい汗だ。 「知ってる知ってる。だって君、オレのことは知らないはずだからねっ!」  …………え?頭の中で反響する、「知らないはずだからね!」の声。こっちは真剣に考えているのに、からかっているのか?  イラッ。いい加減、暑すぎてイライラが爆発寸前だったのに。イライラも通り越してシレッとしていたのに、また着火。  こいつの笑顔を見ていたら怒りが込み上げてきた。ウザい。こいつの正体も目的も、何を考えているのかもさっぱりわからないし。
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