3日目(中編)

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 俺、ずっと体調が悪いんだ。原因は確実に、雨の中で尊を探しに行ったから。それに加え、きちんとした食事を摂っていなかったから。あとは、心身ともに疲れていたから?  尊と出会ってから、何もかもがマトモじゃなかった。良い意味でも悪い意味でも。  とりあえず良かったのは、尊が元気になったことだな。2人共が風邪でダウンなんかしたら、誰が看病するんだ?ってことになりかねないから。  とはいえ、尊に俺の看病なんかできるのか?俺に看病をされたいって言っていたくせに、看病する側かよ。笑える。  いや、笑えない。1度は風邪をひいていた尊のためにと、尊が眠っている間に買っていた風邪薬、まさか自分自身が使うことになるとは。先に飲んでいて良かった。  尊は確実に料理ができない。わからないなりにやるって言っても、絶対にさせない。危ない。レトルトの白がゆもあるし、食べきる前に回復すれば。  しかし、体が痛い。だいぶ熱が上がっているのは体が順調に回復に向かっているからとはいえ、あー痛い。寝返りを打つのも痛い。 「み、三日月……っ」 「何だよ、泣きそうな顔しやがって。薬飲んで、栄養摂ってゆっくり休んでいればすぐに治るから。暇ならここ以外の部屋の掃除でもしてるか?」  倒れたまま眠っていたらあっという間に昼になっていてさ。尊は冷凍ご飯をチンしたのとハチミツ味の梅干し、俺は温めた白がゆにほぐしたハチミツ味の梅干しを入れて食べた。  動けなくて、口頭で教えてやったがやっぱり尊にはレンチンさえ難しかったようだ。教えを乞いに俺とキッチンを何往復もしていた。
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