路地裏の堕天使達

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路地裏の堕天使達

あの日から、十日程が過ぎてたかしら………。 今でも、仕事以外の休みの日になると、ワタシ、放心状態が続く事があるのよね………。 あの後、真っ裸のまま、夜の町へと飛び出してから、何処をどの様にして帰路に辿り着いたのか、記憶の一欠片すら残ってもいないの。 これって所謂、解離性。それとも、鬱病? それとも、てんかん発作なのかしら……。 余程な迄にショックだったのね、ワタシ…。 ……でも、『二度あることは三度ある。』……なんて言うことわざなんてあるけれど、まさか、それがコンビニからの帰り道だったなんて……。 それは、忘れもしない、ワタシの人生で最悪の屈辱と恥辱にまみれてしまう瞬間。 「……よぉ、彼女。そんなに暇なら、俺たちとセックスでもして行かない?」 「今ならオプションで、中出しサービスも付けて上げちゃうよ……。」 コンビニからの帰り道……。 見るからに頭の軽そうなゴロツキの集団から、あからさまに破廉恥極まりないナンパ行為を受けてしまうワタシ。 その頃、ワタシも気が立ってたものだから、相手には目も暮れずに、そそくさとその場から立ち去ろうとしてたんだけれど…。 …でも、その時! ゴロツキの1人が、ワタシの左手首を掴んで、ワタシの行く手を阻もうとして来たの。思わず、ワタシ、その手を振り払おうとしたんだけど、何時の間にか、ワタシ、そのゴロツキの集団に取り囲まれてて、有無も言わさず、傍らにある路地裏へと続く通りに連れ込まれてしまって。 「…アンタ達、一体、何がしたいのよ?」 ……ひょっとして、このゴロツキの連中。ワタシを待ち伏せする為に、この辺りを徘徊してたんじゃないかしら? その時、暗がりの奥から、恐らくはリーダー格らしきと思わせる男のなりをした人物が、ワタシの目の前に姿を現した。 「ちょいと悪いね、お嬢さん。アンタに怨みは無いが、俺たちゃ、と或る御仁からの頼みで、アンタが輪姦される一部始終をカメラに納めてくれと言われててね。申し訳無いが、アンタには少し恥ずかしい想いをして貰う事になりそうだが、それでも良いかな?」 ………ゴクリッ! 「………『良いかな?』……なんて言われて、『えぇ、良いですよ。』……なんて言う馬鹿な女がいる訳無いでしょ!」 …こうなりゃ、ワタシも強気で行くしかないし。 「ほほう。気の強さだけは、噂通りらしいな。だが、その鼻っ柱が俺達に通用するかどうかは分からないがなぁ。」 ……何だか不安になるワタシ。 「アナタ達、どうせ、お金で雇われてるんでしょ。…いくらなの?…いくら貰ってるの。ワタシ、お金ならいっぱい持ってるから、2倍。いいえ、3倍払うから、助けて!…お願い。ねぇ、良いでしょ?」 (………………フッ。) ワタシ、その時、リーダー格の男に、音にもならない程に鼻で笑われた気がして…。 リーダー格の男は、おもむろに呟いた。 「………おぅ、お前等。…この女、…とっとと剥いちまえ!」 血肉を貪るゾンビの様に、ワタシに迫って来るゴロツキ達。ワタシ、あからさまにストッキングを破かれて、衣服も強引に引きちぎられ、その内、ゴロツキの1人がワタシの乳首に吸い付いて来る始末…。恥辱にまみれる瞬間。 「…いやぁ、許してぇ!!」 不意に、その場から逃げ出そうとするワタシの背中を、ゴロツキの1人が突き飛ばして、倒れ込んだワタシの身体を、押さえ付けようとするゴロツキふたり。 ……これって、アタシの運命なのかしら? 「俺達から逃げ出そうだなんて、百万年早いんだよ!……お前の様なメス豚は、俺達がたっぷりとお仕置きをしてやる。」
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