違和感だらけの一日

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「ね?分かった?」 振り返ると知世がいた。 知世も私と同様に全身傷だらけで真っ赤な血で染まっていた。 「ようこそ、死後の世界へ。待ってたよ」 知世の手には真っ赤な彼岸花を一輪。 知世とはいつも橋の上で待ち合わせしている。 この世界に誰もいなくなったのは皆生きてるから。 さっきまではきっと生死を彷徨っていたから皆の姿が見えたんだ。 死んだ今、知世以外の人がいないのも納得できる。 知世の手から彼岸花を受け取ると、近くに咲いていた真っ赤な牡丹が一輪落ちた。
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