彼岸花

違和感だらけの一日

ピピピッ

携帯のアラームが鳴る。
「ぅ…ん…」
手探りで携帯を探し、アラームを止める。
そして二度寝。
いつものコース。
だけど、今日はいつもと違った。
二度寝していると、決まって母が怒りながら起こしに来てくれる。
それなのに、今日は来る気配がない。
何となく不安を覚えて、もそもそとベッドから出る。
一歩ベッドから出ると、異様に寒かった。
今は九月で、朝晩冷え込む時もあるが涼しい程度で、こんなに寒い朝はない。
まるで冬の朝のように寒かった。
それでも学校には行かなければならない。
洗面所で顔と歯を磨き、制服に着替えて、髪を整える。
軽くメイクをして、全身鏡で乱れがないかチェック。
今日も完璧。
荷物を肩にかけ、リビングに下りる。